滝野隆浩の掃苔記:中国の葬送事情に思う | 毎日新聞

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滝野隆浩の掃苔記:中国の葬送事情に思う | 毎日新聞

滝野隆浩
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万里の長城近くにある八達嶺霊園には、銅像付きの豪勢なお墓が数多く建っていた=2016年9月、滝野隆浩撮影

万里の長城近くにある八達嶺霊園には、銅像付きの豪勢なお墓が数多く建っていた=2016年9月、滝野隆浩撮影

 <滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>

 日本葬送文化学会の7月定例会で「転換期の中国葬祭事情」という安剣星さん(57)の講演を聞いた。安さんは日本の石材商社に勤めたあと中国に帰国し、いまは大手葬送企業の顧問職。日中両国の葬送業界をよく知っている。

 経済成長が続く中国では急激な都市化が進んでいる。農村から都市部へ人が流れ、都市型生活様式が広がる。それに合わせるように火葬率が上昇。とくに都市部は高く上海はほぼ100%、北京も85%だが、50%に届かない地方も多く、全体では53%だという。

 政府は「生態葬」(日本でいう「樹木葬」など)を推奨。「葬儀の簡素化」を呼びかけている。ただ、豊かになると人は葬儀や墓にこだわり始める。これは政治体制を超えた人類文化の定則なのかもしれない。日本もかつてそうだった。いま中国は富裕層を中心とした葬送ブームにあるという。

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